製品の品質を守り、コストや効率の改善も担う生産技術。
時代とともに変化していく品質レベルに真摯に応えているからこそ、高品質な製品を提供し続けられるのです。
温度が数度違うだけで、
品質は変わってしまう。
営業や研究開発と比べて、生産技術はどのような仕事をしているのかイメージしにくいかもしれません。私たち生産技術は製品の品質を保つため、またコストや製造効率の改善のために、既にある製造方法の見直しや新しい製造方法の検討を行っています。社内では製造部門や品質保証部門、社外では設備・機材メーカーと密に関わり、協力を得て業務を進めています。当社のグリセリン製品は非常にデリケートで、温度が数度違うだけで品質が変化してしまうため正確な条件の設定が求められます。新しい製品を実際に生産できるか、既存の製品を安定的に出荷できるかは製造現場にかかっています。生産技術はいわば阪本薬品工業が生み出す製品の品質を守る砦です。
時代によって進化する、
だから面白い。
製品の品質を守る中で、その基準はひとつだけではありません。私が所属している泉北工場では、医薬品、化粧品、食品、工業材料などあらゆる用途のグリセリンが製造されています。同じグリセリンでも、用途が違えばそれぞれの品質を担保するための法規制や分析方法も異なります。また、法規制や分析方法は時代によって変化していきます。例えば、法規制においては食品衛生法の改定により「HACCPに沿った衛生管理の義務化」の対応を行いました。HACCPに沿った衛生管理とは、食品を扱う事業主が汚染などの危害要因を理解した上で定められた項目をもとに調査し、全ての工程の衛生管理を行うことを意味します。分析方法では、製品の中に細菌が混入していないか調査するための「微生物迅速試験装置」の進化により、新たな装置を導入しました。常に変化する業界の情報収集を行い、時代に応じて進化していくことが生産技術の面白さだと私は考えています。
新プラント立ち上げへの参加は、私のターニングポイントになった。
私は現在、医薬品に用いられるグリセリンの製造をメインとする新プラントの立ち上げに携わっています。私はPMO(project manager office)と呼ばれる、プロジェクトをスムーズに進行させるためにスケジュールや各工程に必要なタスクの管理を行う役割を担っています。プラントには様々な設備やシステムを導入するのですが、導入が決まったからといってすぐに実行できるわけではありません。実際に導入されるものについて情報収集を行い、必要な条件や具体的なスケジュール、自社での運用方法などの課題や疑問点を社内で洗い出し、設備・機材メーカーとすり合わせながら進めていきます。新しくプラントを立ち上げるためには、設備やシステムのことはもちろん、法規制や財務など様々な知識が必要です。今回のプロジェクトでは当社で初めて導入するシステムがあったため、知識も経験も足りずかなり苦労しましたが、上司や他部署の方からのサポートのおかげでなんとか実現することができました。この仕事で得られた知識や経験は今後のキャリアに繋がる大きな糧になったと思います。
次は、自らプロジェクトを先導したい。
新プラントの建設に携わり、様々な知識や経験を得ることができました。当社は成長を続けているため、今回だけに限らず、今後も新たなプラントの立ち上げやプラントを維持・増強する機会があるはずです。その際には身につけた知識や経験を活かし、自らプロジェクトを先導していきたいです。とはいえ、まだまだ未熟者ですので、これからも先輩方に近づけるよう成長していきたいと考えています。お客様のニーズを見つける営業、新しいものを生み出す研究開発、実際に形にする製造。これら3つの力があるからこそ、阪本薬品工業は高い創造力を発揮することができる。阪本薬品工業の想いや発見を形にするために、これからも求められるレベルに応え続けていきたいです。
語れるものは
あるか。
生産技術は、
品質を守る砦。
S.O/
泉北工場 品質管理課(生産技術職)/
2012年新卒入社